長野市が概略数量での発注方式を試行 県内自治体では初

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長野市は概算数量での発注方式を9月から試行として実施する。長野市建設業協会の会員を対象に説明会を9月19日実施し周知を図った。

 

概算数量発注方式とは詳細設計を行わずに概略設計(標準断面)のみで発注する方式をいい、詳細設計が確定後に設計変更を実施する。早期発注・早期完成が特に求められる工事や技術的な難易度が低くリスクがほとんどない工事を対象に試行する、と同市会計局検査課では説明している。県内自治体では県を含めて初採用という。

 

長野市が新たに設けた試行要領によると、趣旨は設計積算業務と入札事務の効率化のため。

概略数量発注方式とは、当初設計の数量を概算数量により積算し、契約後に工事現場での取り合いなどを精査のうえ、設計数量を確定した上で契約変更を行う方式をいう。

 

対象工事は、発注事務が効率的に行える市単独工事で、原則として設計金額5000万円未満の工事が対象。ただし構造計算や安定計算を必要とする工事は対象とはしない。

 

当初設計の積算は概算数量に基づき設計金額を算出。当初設計時の図面は位置図、平面図、標準断面図を添付する。

 

受注者は契約後に行う現場照査に基づき、平面図、縦断図、横断図、構造図、展開図、区間線図等の工事計画図書を作成し、監督職員に提出・承諾を得る。

 

受注者から提出された工事計画図書を精査した後、双方協議のうえ、実施数量を確定して、これに基づき設計変更を行う。設計変更を行う際は、工事計画図書の作成に要した経費は追加して計上する。

 

長野市会計局検査課は、概算数量発注方式の効果として◇早期発注で平準化が可能◇契約後の設計変更は受注者が作成する工事計画図書に基づき精算変更により実施するため受・発注者間のトラブルは少なくなる◇応札参加者の積算が容易になる◇舗装工事は早期発注により品質向上につながる-などのメリットをあげている。

 

県内自治体では初で、他県では富山市が500万円未満の土木工事、一宮市が1500万~3000万円未満の比較的単純な工事、さいたま市が5000万円未満の土木工事で導入しているという。